AIによる医療秘書ツール導入検討しています

音声入力でカルテ記述を補助してくれるAIツールを導入しようと検討しています。

 日々の診療においてパソコン入力しながら診察していますが、慣れているとはいえキーボードを打つ作業をすると、どうしても患者さんのお話に100%の注意を向けることが難しくなります。

また、患者さんの立場から見ても、医師が目の前でキーボードを打ち続けることがどのように感じられるのか、考えることがあります。

こうした課題を解決するために、AI医療秘書ツールの導入を検討しています。

 このツールは、音声入力による自動書き起こし機能を備えており、さらに要約まで行ってくれるため、診療中に手を止めたとしても記録が残ります。

この精神科の言葉の記録についてですが、以前に、こんなトレーニングを受けたことがありました。

教授の診察などに入らせてもらって、半分に折ったカルテ用紙の左半分には医師の言葉を、右半分には患者さんの言葉をすべて書き写すというものです。

これは、精神科医療において「言葉」がいかに大切かを体感するためのものでもありました。

精神科では、患者さんがどのように自分の思いや体験を語るか、その言葉のニュアンスや独特の言い回しに大きな意味があります。

患者さん自身の捉え方や感情が言葉に表れるため、その表現が診療において重要な情報となるのです。

そのため精神科のカルテでは、単に事実を要約するだけではなく、患者さんの言葉そのものを記録することも求められます。

しかし、従来の方法ではすべての言葉を記録するのは難しく、また記入作業をしながらでは患者さんへの注意が下がってしまうこともありました。

そこで、AI医療秘書ツールが大きな助けになると感じています。

もちろん、導入初期はスムーズにいかない場面もあるかもしれませんし、ツール自体も改良やバージョンアップの途中です。

しかし、こうした技術は今後さらに発展し、医療現場にとって欠かせない存在になっていくのではないかと思います。

患者さん一人ひとりの言葉を大切にし、より良い診療環境を目指していきたいと考えています。