不安の薬①ベンゾジアゼピン系の薬剤〈1〉
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ベンゾジアゼピン系と呼ばれるお薬があります。
「リーゼ」「ワイパックス」「ホリゾン」「ソラナックス」「デパス」
などの名前を聞いたことがあるかもしれませんが、どれもベンゾジアゼピン系となります。
このタイプのお薬について、簡単に説明していきます。
ベンゾジアゼピンが作用すると、脳内の興奮性の神経伝達物質が減ります。
そのことで気分が落ち着くのですが、半面、
この興奮性の神経伝達物質は、注意力や記憶、筋肉の硬さや動きなども調整しているので、
そちらの方で良くない作用を及ぼしてしまうことがあるのです。
ここから少し、良くない作用(副作用)についていくつか書きます。
薬が効きすぎて眠くなる、集中力が減る、最近の出来事が思い出せないということが起こり得ます。
普段抑え込まれていた気持ちが解放されて攻撃的になることもあり得ます。(お酒を飲んだ場合と似ています)
高齢の方は特に薬が効きやすく、認知症のような症状を引き起こしたり、ふらついて転倒したりすることがあるので、できるだけ服用しない方がいいです。
妊娠している人も赤ちゃんに影響することがあるので、服薬は避けます。
飲んでいるうちに慣れてきて効かなくなることがあります。
数週間以上連用すると依存になってしまうことがあります。
そんなに色々あるなら、そんな薬処方するな。
と思われるかもしれません。
また、こういった情報をインターネット等で得て、
たまに服用するごく少量のお薬を「飲んで大丈夫ですか?」と不安に駆られて何度も確認する人もいます。
確かに副作用には注意すべきなのですが、過剰に反応してしまっていることもあります。
要するに、使い方次第で便利にも危険にもなります。
即効性があって辛い時には使いやすい、たくさんの人の気持ちをサポートしてきたお薬ですが、
対症的であり一時しのぎでしかないということを理解の上で、頓服での使用をお勧めしています。
参考:アシュトンマニュアル