統合失調症

感情や行動、考えがうまくまとまらなくなる病気です。幻聴や妄想、意味の通じないような言動、感情が鈍くなる、といった症状がみられます。男性は20代前半頃、女性はもう少し遅く30歳前後に発症することが多いです。

明らかに奇異な妄想を訴えて大声を出すなどの言動が目立つ人もいますが、妄想などの訴えは目立たず、家の中に引きこもって過ごしているだけという様子の人もいます。発症の前に、うつに似た症状がみられることあるので、発症初期にはうつ病と考えられている人もいます。

病気の原因ですが、生まれつきの遺伝的な要因と生まれてからの環境的な要因によって脳がストレスに対して脆弱になっているところに、心理社会的なストレスが加わって、脳の働きに問題が生じて発症に至るようです。ドーパミンという神経伝達物質が過剰になっていることが発症の一因ではないかと考えられています。そのほかにも研究は様々に進められています。

薬物治療がとても大事になります。お薬はドーパミンを調整するタイプを使用します。服薬できなかったり速やかな改善が必要な時には、電気けいれん療法を行うこともあります。この場合でも、電気けいれん療法である程度改善した後は薬物治療を行っていきます。

以前はなかなか治療が進まず長期の入院になってしまい、社会復帰が難しくなってしまう方もかなりいらっしゃったのですが、現在では多くの新しい効果的なお薬が開発され、より副作用の少ないものも出回るようになってきて、症状なく日常生活を送る方も増えてきました。

症状が落ち着いた後も再発防止に服薬を継続することが大事ですが、飲み忘れてしまったり、具合がよくなったので必要ないと自己中断してしまい再発に至ることもしばしばあります。1か月に1回注射をするだけで、毎日服薬しなくても効果が持続するお薬などもあるので、場合に応じて使用していきます。