マインドフルネス

マインドフルネスとは、今現在の瞬間瞬間の体験に、評価をせずに注意を向けることで得られる、気づきのことをいいます。

自動的に浮かんでくる考えに振り回されることなく、自分の思考も「ただそこにあるもの」として捉えることで、辛い思考と距離を置きます。

リラクセーション法はコントロールを意識していますが、マインドフルネスはむしろコントロールを手放すことを目指します。

嫌な気分をどうにかしようと考え込みすぎて、かえって苦悩が増してしまうことがありますので、そのような時はマインドフルネスを試してみることをお勧めします。

やり方の例ですが、

・静かに目を閉じて床に座り、自然と呼吸していることに意識を向ける。空気が鼻の穴から入っていき、胸が動き、そして体の外に出ていくことを感じる。吐き出した空気が温かくなっていることに気がつく。そのうち色んな心配事や、足の痺れ感など、呼吸以外のことに注意がそれる。そうしたら、何に注意がそれているかに気づきを向け、そしてまた呼吸に注意を戻していく。

というようなエクササイズを行います。

もう一つ、ボディスキャンというやり方もご紹介します。

・快適な場所で横たわり、目を軽く閉じて体の感覚に注意を向ける。呼吸にともなって胸やおなかが動くこと、吸い込んだ空気や吐き出した空気の流れや、足、足の指、背中、手の指、手のひら、手首、腕、肩、顔、頭など、全身の感覚に意識を向ける。

そのほか、

・目の前の食材の色や形などをじっくり観察し、一口食べて香りや舌触りなどを感じ取る、飲み込んだ後の体の変化をしっかりと観察する。

などの方法もあります。

このようなエクササイズを繰り返すことで、ストレスやうつ・不安の軽減や、免疫機能の改善、過敏性腸症候群なども改善が期待できるともされています。

ただし、マインドフルネスは概ね安全に行なっていただける方法ではありますが、急性であったり重症の方には適切ではないこともあります。

参考:『心療内科学−治療から診断まで−』『今日から使える認知行動療法』