漢方薬の処方

当院では漢方薬の処方も行っております。

厳密に証(漢方的な診断)を見極めるであるとか、オリジナルで生薬を配合するなどのことはできませんが、症状に応じてツムラさんやクラシエさんの漢方薬を処方しています。

漢方薬は副作用がないというイメージを持たれがちですが、お薬なので副作用の可能性はあり得ます。

くすり相談窓口で相談を受けた薬剤のうち3.5%は漢方であったという報告もあるそうです。

いくつか注意が必要な生薬を挙げます。

黄芩:間質性肺炎や肝炎に注意。(特にインターフェロン製剤使用の方や肝硬変の方)

甘草:腎臓の機能が低下している方や利尿薬を使っている方、低カリウム血症の方など注意が必要。医療系の漢方製剤の70%に含まれている。

麻黄:交感神経を亢進させるので動悸や血圧上昇などに注意が必要。授乳中の女性、循環器疾患、排尿障害の方、甲状腺の薬を飲んでいる人等に注意が必要です。葛根湯にも入っています。

山梔子:5年以上など長期に内服すると、腸間周辺の静脈の一部が石灰化して腹部の症状を起こすリスクが示唆されています。加味逍遙散、加味帰脾湯などに入っています。

附子:高血圧や不整脈のある人、授乳中の人は注意。

大黄:子宮収縮作用などがあり妊娠中や授乳中の女性は使用注意。

(その他、妊娠中に使用すべきではない漢方はいくつかあります。妊娠中は産科医と相談の上、必要最低限の薬剤の使用が望まれます)

参考:『基本がわかる漢方医学講義』『ジェネラリストのためのメンタル漢方入門』