過敏性腸症候群(IBS)

「半年以上前からおなか痛くなることがあってトイレに行ったら楽になってたけど、この3カ月は毎日のようにおなか痛くなってトイレに行っているので、病院行って検査したけど異常はないといわれた。」

というような状態のことです。しっかり書くと、

この3カ月間の間に、平均すると週1回は繰り返して腹痛があって、

腹痛が、①排便と関係している ②排便の回数と関係している ③便の形状と関連している

の3つのうち2つがあることと、最初に発症したのが6か月以上前で、体の検査をして異常がなければ

過敏性腸症候群(IBS)の診断となります。

発症の原因は一つではなく、さまざまな要素が関与しています。遺伝的な要因や、環境の影響、ストレスによって腸内細菌が変化したり、内臓の知覚過敏を起こすことなども考えられています。

治療法ですが、食事が偏っている、夜食を食べている、睡眠不足などあれば、見直していただきます。

炭水化物や脂肪の多い食事や、香辛料、アルコール、コーヒーなどは控えて、食物繊維を摂取してもらいます。

定期的に軽い運動をすることも効果的です。

薬物治療は、消化管運動機能調整薬などのほかに、心理的な問題が大きいようであれば、抗うつ薬や抗不安薬を使用することもあります。桂枝加芍薬湯や大建中湯、半夏瀉心湯などの漢方薬を使うこともあります。

そのほか、心理療法として、認知行動療法やマインドフルネス、自律訓練法なども行っていくこともあります。

参考:心療内科学 ―診断から治療まで―