月経前不快気分障害(PMDD)

生理前に心身の不調があり、生理になると改善するものを月経前症候群(PMS)といいます。

PMDDはPMSよりも精神的な症状が重いものになります。

生理前の数日-2週間ほど、気分が不安定となり落ち込みや苛立ち、不安感などが生じ、

また、集中困難、過眠または不眠、身体的な違和感、倦怠感、興味の減退、制御不能な感じ、食欲の変化、などの症状が4つ以上あって、日常生活や社会生活に支障が出るけれども、

生理が始まると良くなっていき、生理終了後には症状がほとんどない状態となっている

ということが1年以上にわたって続いているとき、PMDDと考えられます。

月経のある女性のうち、1.8-5.8%がPMDDであるとも考えられています。

疾患の原因ははっきりしませんが、ホルモンなどの濃度に影響してセロトニン系神経の機能が変化するのではないかとも考えられています。

PMSの治療に低用量ピルを使用することもあります。(当院では処方しておりません)

精神的な症状に対しては、精神科・心療内科ではSSRIという種類の、セロトニンを調整するお薬を使っていきます。この薬はうつ病や不安障害の治療薬でもあります。

ずっと飲み続けるのではなくて、次の月経開始予定日の2週間前から月経開始日までの間、SSRIを服用します。

そのほか、漢方薬なども使用を考えます。

参考:DSM5、今日の精神疾患治療指針、今日の治療指針