カサンドラ症候群

正式な病名ではありませんが、カサンドラ症候群という「夫が自閉スペクトラム症のためにコミュニケーションが取れずストレスが強く、心身に不調をきたしている妻」のことをさす言葉があります。

夫が自閉スペクトラム症かどうか調べて欲しいとして、妻が夫を半ば強引に連れてこられることもあります。

ちなみに「話が通じない、共感しない、気遣いのない」夫は、自閉スペクトラム症ではなくてもたくさんいます。

妻が診断・受診を望むとき、「医師から注意や指導をしてほしい、私の言っていることは正しいと夫の前で第三者が言ってほしい」と思っているのではないかと感じることもあります。医師に言っている様でいて隣の夫に聞かせようとしていることもあります。

また、対外的に大きな問題がない夫に、不満を持っていたり、嫌っていることに、どこか罪悪感を感じていて、納得のいく理由を探しているのではないかという場合もあります。

自閉スペクトラム症の診断となり、夫の自己理解や妻の苦悩への理解が進んだり、妻もより理解を深めて対応を工夫するようになった結果、夫婦関係が良くなることもありますが、

たとえ夫に自閉スペクトラム症の傾向があったとしても、夫婦の問題であり、医療は問題の中心ではないと感じることもあります。

自閉スペクトラム症であろうとなかろうと、相手が対外的に問題があろうがなかろうが、嫌いで受け入れられない・一緒に暮らしていくことが苦痛なのであれば、離婚や別居を考えるしかないときもあります。

また、カサンドラ症候群として同じ経験をした人たちの自助グループに参加して気付きや励ましを得る人もいます。